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知的な角度からギャンブルを見てみたい
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ギャンブルはまったくやりませんが、ギャンブルを描いている映画は大好きです。
こんにちは、JOLです。
だいぶ昔にですがベン・メズリックの本を映画化したとされる“ラスベガスをぶっつぶせ”を鑑賞したのですが、題材はラスベガスで実際に起きた事件だったことを思い出して、気になったので少し調べてみました。
Beat the Dealer
特に気になったのはカード・カウンティングの箇所で、映画の中でも説明はされていたのですが、いったいなんのことか少し調べてみると、カード・カウンティングを発明したのはエドワード・オークリー・ソープさん(Edward Oakley Thorp)という方で、MIT(マサチューセッツ工科大学)において数学の教鞭をとり、数量財政学も教えていたという、バリバリの数学者でした。
その経歴はとても興味深く、1950年代、当時MITで数学の講師であったエド・ソープは、ブラック・ジャックでディーラーに打ち勝つ手法を研究。カウンティングとよばれる手法により統計的に有意に勝てることを証明したソープは、これを理論の実証・検証をするため、まるで映画のようにラスベガスに小旅行をしてカジノに乗り込み、$10,000を2日間で2倍以上に増やすことができた、そして彼らは 「MITブラックジャックチームの襲撃」と呼ばれたと云われています。
1962年には、この必勝法を解説した書籍 “Beat theDealer”を出版し、ラス・ベガスやアトランティック・シティを震撼させた。この手法を実践し儲ける人があまりにも多く続出したため、現在では、カジノは、ルールを変更し、カウンティングを禁止しているほど。
まさに「MITブラックジャックチームの襲撃」や”Beat theDealer”の面目躍如ですね。
Beat the Market
次に、証券市場に注目したソープは、1964年にカーソフとともにワラント(※5)の研究を始めた。彼らは研究成果を市場に応用することで、1967年までに運用資産を$40,000から$100,000に増やすことができたそうです。
この年、“Beat the Market” という書籍でこの運用成果を発表し、科学的に証券市場で利益を上げることが可能であることを示したのですが、彼らが開発した取引手法が基礎にしていた公式は、後のブラック・ショールズ公式だったそうです。この研究に触発され、ブラック、ショールズとマートンはそれぞれ異なった視点から研究を行ったことから、1970年に、ブラック・ショールズ公式をもとめることに成功した、ともいわれています。
数学者としても、ギャンブラーとしても筋金いりのまま生涯を終えたというのではあれば、それはそれですごいなと…。
ただ、エドワードソープが、カードカウンティングを使って荒稼ぎしたという話は1度のみだという話もあります。彼が編み出した『10カウント法』を使って、他のカジノで荒稼ぎしたという話は実は存在しない可能性もあります。
実はエドワードソープ本人が『10カウント法』でお金を稼ぐことは確率的に厳しいと気づき、ブラックジャックでお金をかけるのをやめたの可能性もあります。
勝った事実は嘘ではないのかもしれませんが、絶対に勝つ方法というのではなく、あくまで確率論的に勝率が高くなる程度の話が、少し脚色されたのかもしれません。
カード・カウンティング
カード・カウンティングとは、簡単に言うと“配られたカードの数字から、残ったカードの数字を予測するテクニック”になりますが、興味のある方はwikipediaのこちらの記事を御確認ください。私にはカード・カウンティングはムリみたいです。『ラスベガスをぶっつぶせ』の邦題より、原題の『21』の方が良いと思うんだけど、地味ですかね。
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