【映画】ざくろの色

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映画『ざくろの色』は、セルゲイ・パラジャーノフが撮った、18世紀アルメニアの詩人サヤト・ノヴァの生涯にオマージュを捧げた美しい映像詩。

セルゲイ・パラジャーノフ 目を開けたまま見る夢

美しい。

色彩を秀麗に纏った浮遊感のある映像といってよいのか。

目を開けたまま見る夢

という表現が一番しっくりくるかもしれない。

パラジャーノフはその生涯で長編作品を4本しか残す事しておらず、成就する事の無かった映画の脚本もたくさん残っているそうだ。実に惜しい、フェリーニやゴダールなどの巨匠たちが敬愛するのもむべなるかな。

パラジャーノフが撮った4本は、投獄される前の、火の馬(1964年)、サヤト・ノヴァ(1968年)、そして作品が反ソ連的な危険思想に基づくものとみなされて投獄され、ペレストロイカ以降にようやく出獄してから撮った、スラム砦の伝説(1984年)、アシク・ケリブ(1988年)。

今回、私が鑑賞した『ざくろの色』も、散逸した「サヤト・ノヴァ」のフィルムからセルゲイ・ユトケーヴィチ監督が再編集したものであって、決してオリジナルではない。それですら、その映画的な吸引力は視線を奪って離さないほどだ。

MTV的なものを見慣れる世代によって、決して前衛的ではないように見える映像詩も、オリジナルがどちらなのか、そして作品のサヤト・ノヴァが1968年に撮られているという事実を知ると、ただ慄然とする。

そして、既に映像が前衛的ではないという事実、これらの映像の瑞々しさをまったく奪わないことに、また改めて驚きを禁じ得ない。

DVD

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