【映画】チョコレート・ファイター

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チョコレート・ファイターの主人公のようには100万年たっても動けません。

こんにちは、JOLです。

この映画、設定はハチャメチャで、あり得ない感を四方八方にまき散らしつつも、カンフーハッスルやジャッキーの映画とは質の異なるドライブを感じさせるのは、やっぱり生スタントにこだわった作品からかもしれません。

さすがマッハを撮った監督。スタントとはいえ、生身の人間を2階・3階の高さから平気で人を落としまくって、アクション映画のイカレ具合としては、かなりのハイレベル具合です。

イカれた主人公補正

因みに、本作の「チョコレート・ファイター」は女の子が主役なのですが、まず設定自体が普通ではあり得ません。

主役のゼンさん(女優はジージャさん、当時24歳。全然、見えない!)は、知的障害(サヴァン症候群)者であり、だからこそ逆に格闘が出来るという、かなり無茶な設定のヒロイン像です。

設定ではサヴァン症候群が、ある特定の事に驚異的な天才の能力を発揮する知的障害という設定なので、ゼンの場合はその能力が驚異的な反射神経として発揮されて、一度観た動作は完璧に動きとして再現できるということになっています。

つまり、ブルース・リーの映画を観ては、ブルース・リーのように。格闘ゲームで遊んでは、格ゲーのように、ありえないアクションを連発で再現できる訳です。

阿部寛の怪演が光る

ジージャの父親役のやくざを演じた阿部寛さんは、映画の中で尻丸出しのところだけがクローズアップされていますが、存在感だけで映画の要所をひっぱり、最後の方では日本刀を振り回す殺陣も見事にこなしています。斬り合いの最後で白目を向いて倒れるシーンなどは阿部さんならではの怪演で、この映画の“馬鹿っぽいけどもクール”というビミョーな匙加減の世界観を壊ことなく演じています。

漫画シグルイにも通じるフリークさ加減、ヒロインのかわいさ、そして文字どうり身体をはった本物のスタント、四の五の云わずにアクションを楽しめるので、アクション映画のファンにはおすすめの一本ですね。

ラストバトルは、メトロとビルの狭間の空間が舞台になっており、バンコクのメトロに乗ったことのある人ならば分かると思うのですが、確かにああいう空間は存在します。駅のホームで待っている時、もしくは電車に乗りながら、もしかしたら“出来るかも”、“いや落ちて死ぬでしょ”というような空想を、軽ろやかにアクション映画で表現して見せてくれるのは嬉しいですね。

サヴァン症候群といえば、オリバー サックス著の『妻を帽子とまちがえた男 』で、興味深い実例が沢山述べられています。

まさか、と信じられないような症状を抱えた人々が大勢でてきますが、サックス氏の人としての視線、その真摯な態度に感服する名著です。

妻を帽子とまちがえた男 (サックス・コレクション)
Oliver Sacks 高見 幸郎 金沢 泰子
4794925220

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