こんにちは!
今日は「2008年にもらった“失敗の12か条”を、いま読み直すとどう見えるか」という話です
メンターって、たまに唐突に意味深なリストを送ってきたりしますよね。当時の私は「なんでこれを送ってきたんだろう…?」くらいにしか思っていなかったんですが、捨てずにとっておいてよかったです。
というのも、いま改めて読むと、
「うわ、これ全部、実際に体験したやつだ…」
という項目ばかりだからです。
若い頃は抽象的にしか読めなかったものが、いまでは因果関係としてはっきり理解できる。「こうすると事業って崩れるんだよね」という構造が、全部このリストの裏にあったんだなと。
というわけで今回は、オリジナル12か条を、私なりの解釈+現代の経営OS(意思決定のOS)と接続する形で整理し直してみたいと思います。
事業に失敗するコツ12か条
ここからは、1つずつ噛み砕きながら紹介していきますね。
1. 旧来の方法が一番良いと信じている事
(変化に気づけなくなった瞬間、事業は止まってしまうという話です)
昔うまくいったやり方って、つい「これが正解だ」と信じてしまいますよね。でも市場の方は淡々と書き換わっていくので、こちらが止まった瞬間にズレが生まれます。
歴史ある会社ほど、この罠に落ちやすいんですよね。
とはいえ、急に全部変える必要はなくて、「前提ってまだ生きてる?」くらいの問いを習慣にするだけで、かなり変わるなと思います。
2. もちはもち屋だとうぬぼれている事
(専門性は強みだけど、それ自体は守ってくれないという話です)
AIでも、新しいプロダクトでも、専門領域の境界がどんどん曖昧になります。
だからこそ大事なのは
「本当に守るべき価値はどこにあるの?」
という問いなんですよね。
もち屋であることと、顧客が求める価値はイコールではないので、そこを誤ると一気に市場から外れることがあります。
3. ひまがないといって本を読まぬ事
(知識が枯れると、判断の再現性が落ちていきます)
本を読む習慣って、単なるインプットではなく「判断の質を保つためのOSアップデート」なんですよね。
忙しい時ほど読まなくなるけど、忙しい時ほど読む価値がある。
これは、ようやく分かってきた気がします。
4. どうにかなると考えている事
(“放置したもの”だけが後で巨大な問題になります)
「まあ、どうにかなるか」と思う時ってけっこうあるんですが、実際どうにかならなかったことの方が多かった気がします。
とくに経営では、「先送り」が一番コストが高いんですよね。
小さいうちに手を入れれば済むものが、大きくなって返ってくる。
ほんとに怖いのはここです。
5. 稼ぐに追いつく貧乏なしとむやみやたらと骨を折る事
(努力は必要だけど、“努力の方向”を間違えると詰みます)
若い頃は「がむしゃらにやればなんとかなる」と思っていました。でも、努力って種類があって、
・時間を燃やす努力
・仕組みを作る努力
この2つはまったく違うんですよね。
仕組み側の努力を増やすほど、未来の余裕が生まれる。ようやく理解した気がします。
6. 良いものは黙っていても売れると安心している事
(価値は“伝わった瞬間”にはじめて価値になります)
昔より「伝える力」が重要になっています。
SNSも広告も、レビューも選択肢が多いから、良いものをつくるだけでは届かない世界なんですよね。
良いもの+伝わる設計
このセットで市場が動きます。
7. 高い給料は出せないといって人を安く使う事
(安さに頼ると、人材からも会社からも未来が消えていきます)
問題は「高く払うかどうか」ではなくて、
必要な価値に対して適正な対価を払えているか
なんですよね。
人件費を“未来への投資”として見れない会社は、結果的に人も育たないし、再現性も生まれません。
8. 支払いを延ばす方が得だとなるべく支払わぬ工夫をする事
(短期で得して、長期で大損する典型例です)
お金を支払うタイミングって、信用の指標でもあります。
「得だから遅らせる」という姿勢は、結局あらゆる交渉力を下げるんですよね。
短期のキャッシュと、長期の信用。
この二つをちゃんと切り分ける必要があります。
9. 機械は高いと言って人を使う事
(人間を“都合の良い代替物”として扱うと破綻します)
人が本来やるべきは「創造や判断」であって、単純作業の穴埋めではありません。
初期投資が怖くて人で埋めると、成長の限界がすぐ来ます。
ある意味、機械化は組織の“未来購入”なんですよね。
10. お客は我が儘すぎると考える事
(顧客の定義を曖昧にすると、すべての現場が疲弊します)
顧客は基本わがままです。ただ、それに対応すべきかどうかは「自社の顧客定義」によるんですよね。
・対応すべき客層なら改善
・そもそも違うなら売らない
これをはっきりさせるだけで、現場はかなり楽になります。
11. 商売人は人情は禁物だと考える事
(人情の問題ではなく、境界設定の問題なんですよね)
人情は悪ではなく、関係資本そのものです。
ただし、人情を理由に判断を曖昧にすると破綻する。
この線引きができれば、人情はむしろ強みになります。
12. そんな事は出来ないと改善せぬ事
(できない理由は大体“思い込み”です)
「できない」と言うと、そこで思考が止まってしまいます。
でも、よく検証してみると
「あれ、これ普通にできるな…」
となることの方が多いんですよね。
改善って、結局は「思い込みの棚卸し」なんだと思います。
というわけで:この12か条は“ただの戒め”ではなかった
いまになって思うのは、この12か条は
経営が崩れる“構造”を、ものすごくシンプルに示した図解
みたいなものだったということです。
若い頃は、単語としてしか受け取れませんでした。でも、経験を通すと一気に構造として立ち上がって見えてくる。
そしてこれは、単なる昔話ではなく、
いまの私の「意思決定OS」「組織設計OS」「改善OS」と全部つながっています。
この記事が、読んでくれた方にとっても
「自分のOSを見直すチェックリスト」
として少しでも役立てばうれしいです。
ついでに、この「事業に失敗する12か条」を、自分のメンタルマネジメントOSの戒めとして確認してみました。
よければ、あわせて読んでみてください…




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