こんにちは! Gian(@GIANSTEP1)です。
今日は「なんとなく当たり前だと思ってきた評価基準って、けっこうズレてるよ?」という話を書きたいと思います。
メジャーリーグでは長い間、
「才能!」「スター!」「豪快なホームラン!」
というイメージが幅をきかせていました。
でも、この常識をひっくり返した人物がいます。
それがビリー・ビーン。
アスレチックスのGM(ゼネラルマネージャー=選手補強やチーム作りの責任者)で、
「予算が少ないなら、評価基準を変えて勝てばいいじゃん」
という大胆な発想で結果を出した人です。
メジャーでもっとも貧しい球団のひとつを率いながら、資金量3倍のニューヨーク・ヤンキースと互角に戦い続けた張本人です。
1. 見た目は余裕でウソをつく
スカウトが陥った「見た目(グッド・フェース)」の罠
昔のスカウトは“顔”“体格”“雰囲気”で選手を判断する時代でした。
いや、気持ちは分かるんですが、これが意外と外れます。
そしてこの“見た目バイアス”に人生ごと振り回されたのが、実は若き日のビリー・ビーン本人です。
彼は高校時代、
・完璧な体格
・エリート感のある顔立ち
・身体能力バツグン
という「スター候補フルセット」みたいな評価を受けていました。
でも、実際の数字は伸びず、プロ入り後も期待された結果を残せませんでした。
後にスカウトはこう語ります。
「数字を見ようと思わなかった。」
いや、そこ見て…。
つまり人間は “良い物語っぽい見た目” にめちゃくちゃ弱い ということです。
仕事でもありますよね。
なぜか仕事できそうに見える人が、なぜかちょっと評価が高い現象。
とはいえ直感を完全に捨てるのも現実的ではありません。
だからこそ“どこに基準を置くか”が大事になります。
2. 野球で一番大事なのは「アウトにならないこと」
地味な「出塁率」が勝敗のど真ん中にいる理由
アスレチックスが出した結論は驚くほど地味でした。
ヒットより、出塁することのほうが得点につながる。
野球は27アウトで攻撃が終わります。
だから“アウトにならない行動”の価値は本来めちゃ高いんです。
でも長い間、四球(フォアボール)は「地味」「評価しづらい」とされてきました。
ここをデータでひっくり返したのがビリーの右腕であるポール・デポデスタです。
これは仕事でも完全に同じで、
・派手な成果より、ミスを減らす行動が効く
・特別な一撃より、安定して淡々とやる人が強い
・天才より、仕組みを作る人が組織を支える
という構造はどこでも再現されます。
3. スターは「分解」すると案外つくれる
万能人材より、機能のセットで考える方が強い
MVPのジオンビーを失った時、普通の球団なら落ち込みますよね。
でもアスレチックスは違いました。
「ジオンビーの価値って、何で構成されてるの?」
答え:出塁率。
それなら、出塁率が高い選手を3人集めればいいよね、という発想になりました。
実際に集めた3人は、
「守備が下手」「高齢」「クセが強い」など、他球団が“欠陥品扱い”していた選手ばかり。
でも、価値の“要素分解”で見ると必要条件を満たしていたんです。
つまり、
万能型スターを追うより、役割を分解して適材を組むほうが強い。
これ、会社でもめちゃくちゃ使えます。
「スター社員依存の組織が弱い」のは、仕組みとして当然なんですよね。
4. 「欠陥品」の中にこそ宝が眠っている
市場の偏見は、ほぼそのまま“チャンス”になる
アスレチックスの名物は“他球団に嫌われた選手の中から価値を拾う”ことです。
ジェレミー・ブラウンなんてその象徴で、
「太ってる」「守備が微妙」「見た目がダサい」
という理由だけで評価が下げられていました。
でも、データは彼が“とんでもなく出塁する男”であることを示していました。
それだけでビリーは迷わず1巡目に指名します。
スカウトから批判されても、ひと言。
「われわれはジーンズを売っているわけじゃない。」
この潔さ、まじで名言。
人間の好き嫌いが混ざると、市場に“価格の歪み”ができる。
その歪みこそ、逆転のチャンスの宝庫です。
仕事でも、
・地味で人気のない領域
・誰もやりたがらないポジション
・クセがあるけど一部が異常に強い人
このあたり、たいてい“掘り出し物”です。
5. 反対仮説:データが最強という話ではない
条件によって指標は“普通に変わる”
ここでちょっと冷静にいきます。
データが正義だ!という話でもありません。
指標は環境に依存するからです。
・打高時代は得点が増える構造になる
・投高時代は別の指標が効いてくる
・創造性の高い領域はそもそも数字化しづらい
だから本質は、
「今の目的に合った評価基準になっているか?」を継続的に問い直すこと
なんです。
つまり、マネー・ボールはデータ信仰ではなく、
“評価基準をアップデートする力の話” です。
ここを誤解すると、ただの数字マニアになってしまいます。
6. まとめ:あなたの仕事の「マネー・ボール」はどこにある?
価値の再定義が“逆転”の第一歩
アスレチックスの成功は、努力の物語ではありません。
誤った基準を修正し、価値を再定義しただけ です。
・見た目に騙される
・派手さに引っ張られる
・スター待望論にハマる
こうした“人間のクセ”を外したところに、地味だけど本質的な指標が眠っています。
そして、その指標を掘り出した瞬間から、組織もキャリアも強くなります。
あなたの現場にもあります。
・“本当は効いてるのに評価されていない行動”
・“地味だけど勝率を上げる仕組み”
・“誰も気にしてないけど成功確率に直結する数字”
これらを拾い上げるだけで、成果はかなり変わります。
というわけで、
あなたの逆転劇は「評価基準を問い直す」ところから始まります。



コメント