こんにちは!ジャイアン(@GIANSTEP1)です。
今日は、投資をやっている人なら一度は「ん? それってどういうこと?」と引っかかる、あの永遠の疑問について話してみたいと思います。
「株価が上がるのに、それもリスクってどういう意味?」
「リスクは抑えろと言われるのに、リターンを得るにはリスクを取れと言われるのはなぜ?」
「結局、自分の人生に関係あるリスクってどれなの?」
投資の世界の言葉って、一見すると“矛盾語ジェネレーター”みたいに感じる瞬間があります。
でも、実はこの違和感のほとんどは “途中のリスク”と“最後のリスク”がごちゃ混ぜ にされていることが原因なんですよね。
僕自身、投資を “値動きを当てにいくゲーム” として扱うのを完全にやめていて、
将来の必要条件を整えるための“意思決定システム” として扱っています。
こういう視点に切り替えちゃえば、途中のブレに振り回される必要がなくなって、
「あ、このリスクさえ管理していればいいんだな」と投資基準が一気にシンプルになります。
というわけで、今日はその本質となる
“途中のリスク”と“最後のリスク”の考え方 を軸に、
リスクの正体を一緒にほどいていきたいと思います。
金融理論が言うリスクは「価格の揺れ」だけど、人生にとってのリスクは「お金が足りないこと」
金融の教科書では、リスク=ボラティリティ(価格の振れ幅)です。
上に動こうが下に動こうが、とりあえず“揺れたらリスク”として扱われます。
ただ、僕はここには強めのツッコミを入れたいんですよね。
人生で困るのは、価格が揺れたことではなく、必要なときに必要なお金がないこと。
この2つを同じ箱に入れて考えると、判断が詰むんですよ。
金融業界「変動が怖いんです」
人生「変動より資金不足のほうが怖いんです」
この理解のすれ違いこそが、投資の混乱の出発点になっている気がします。
変動を避けるほど未来の選択肢が減る理由:期待値と“非対称性”の話
僕の投資OSでは、意思決定の中心に 期待値(EV) を置いています。
これは「長期で最も合理的になる選択をする」ためのフレームです。
ざっくりいうと…
- 変動が小さい資産 → リターンも小さめ
- 変動が大きい資産 → リターンが高まりやすい(リスクプレミアム)
つまり、「怖いから」と変動を避けるほど、
未来の選択肢が削れていく構造 なんですよね。
さらに恐ろしいのが、投資には“非対称性”があること。
- 下落のたびに逃げる → 二度と長期リターンが取れない
- 上昇を逃す → 下落に耐えるメンタルも消える
- 恐怖を基準に行動 → 長期の期待値がマイナスになる
だから僕は、価格よりも 「変動にどう反応するか」 を投資の中核に置いています。
途中のブレって、実は“イベント”ではなく “性質”なんですよね。
だから、いちいち驚く必要がない。
“途中のリスク”と“最後のリスク”を分けた瞬間、投資は急にやさしくなる
今日の核心です。
途中のリスクとは:
ただの価格の上下。
短期の騒音(ノイズ)でしかありません。
最後のリスクとは:
取り崩しの瞬間に必要なお金が足りないこと。
つまり、教育費、老後資金、住み替え、移住、医療費…。
人生のリアルイベントがここに該当します。
僕の結論は驚くほど単純です。
投資家が本気で向き合うべきリスクは“最後のリスク”だけ。
途中がガタガタでも、
最後に必要額を満たしていればそれでOK。
逆に途中で調子がよくても、
取り崩し時に暴落していたらアウト。
世の中の投資ミスのかなりの部分は、
最後を見ずに途中だけ管理しようとすることで発生 しています。
途中のリスクが“凶悪化”するのは、投資家の行動がブレたときだけ
途中の変動は無害です。
有害なのは、変動によって 人間が誤作動を起こすこと なんです。
たとえば…
- 下落した日に売る(panic selling)
- 怖くて安全資産に寄せすぎ、期待値が死亡
- 必要タイミングとズレて安値で取り崩し
- レバレッジで強制ロスカット
これらはすべて、
“途中のリスクを最後のリスクに変換してしまう行為” なんですよね。
だから僕の投資OSでは
価格の揺れではなく、自分の揺れを管理する
という発想にしています。
金融機関が途中リスクを重視するのは「評価制度の構造」の問題だった
金融機関と個人投資家では、同じ投資をしていても目的が違います。
金融機関
- 月次・年次評価がすべて
- 解約が一番怖い
- ボラティリティ=顧客離脱の原因
個人投資家
- 評価は自分の人生のゴール
- 真のリスクは“最後の資金不足”
- 途中の変動はむしろ耐えたほうが得
金融機関にとっては「毎月が最後のリスク」ですが、
個人投資家にとっては「人生のイベントのタイミング」が最後。
ここのズレが、
“途中のリスクを過度に恐れる文化”の正体なんです。
私の投資OS:途中は丸ごと受け入れ、出口だけを徹底的にデザインする
自分の投資原則はとてもシンプルです。
- 途中の変動は、完全に受け入れる(市場の入場料)
- 変動こそ期待リターンの源泉
- 恐怖ベースで動かない
- 何より「市場に居続ける」ことが一番の武器
- 出口(最後のリスク)だけ構造化する
- 取り崩し開始年齢
- 必要金額
- 安全資産の比率
- 数年分の生活防衛資金
途中はノイズ。
出口は構造。
投資はノイズへの反応ではなく、
構造をつくり、維持し続ける技術 だと位置付けています。
この考えに変えてから、実際に投資のブレはかなり減りました。
さいごに:“途中”を気にする投資から、“最後”に責任を持つ投資へ
「株価が上がるのもリスク」というのは、数式が好きな金融の人の話であって、
人生の話ではありません。
本当に怖いのはただ1つ。
必要なときに必要なお金がないこと。
途中に振り回されれば、その“最後”を失います。
途中を受け入れ、出口を設計する。
これが僕の投資OSの中核であり、投資判断をシンプルに戻す方法です。



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