こんにちは! JOL(@GIANSTEP1)です。
今日は「4つの通帳」を使って、お金の流れをほぼ自動化する方法をまとめます。
あわせて、一般的な家庭でも現実的に回しやすい比率に調整した「おすすめ配分」もセットで整理してみますね。
給料日には少し安心しても、月末には残高がほとんど残ってない。
家賃、光熱費、食費、サブスク、交際費など、役割の違う支出が「1つの口座」から出入りしていると、自分が何にいくら使っているのかが見えづらい。
この「見えづらさ」が、気づかないうちにお金を減らしている大きな要因です。
この問題に、専門家が提案しているのが 「4つの通帳」による目的別管理です。
ユン・ギヨンホ氏の『「4つの通帳」でお金を殖やす法』でも紹介されていて、シンプルですが再現性の高い方法として知られています。
この記事では、この4つの通帳に役割を与え、
「意思の強さ」ではなく「仕組み」で資産を増やしていく考え方を伝えていきます。
1. 「4つの通帳」はシンプルだから成果が出る
4つの通帳メソッドの核は、とても単純です。
お金の置き場所を、目的ごとに4つの口座へ分ける。
これだけ。これで日常の細かい判断やその場の感情に左右されにくくなり、お金が自動的に「ふさわしい場所」に流れるようになります。
大事なのは、「毎月ちゃんと守ろう」と意識で頑張ることではなく、頑張らなくてもお金が仕分けされる設計(仕組み)をつくることです。
とはいえ、「4つに分けろ」と言われても、
「じゃあ何%ずつにしたらいいの?」という疑問が残りますよね。
そこで次に、僕なりに一般的な家計を前提にした「現実的な比率」を先に示します。
2. おすすめの配分比率:まずは“70:10:10:10”から
ここでは、手取り月収(可処分所得)を100%として考えます。
目安として、次のようなスタートラインを提案します。
- 通帳①:給与振込・消費用 … 70%
- 通帳②:貯蓄用 … 10%
- 通帳③:投資用 … 10%
- 通帳④:予備費用 … 10%
この「70:10:10:10」は、次のような狙いを持っています。
- 生活を圧迫しすぎない範囲で、合計30%を「将来側」に振り分ける
(貯蓄10%+投資10%+予備費10%) - 通帳③(投資)を20〜30%にするよりも、まずは10%から始めて習慣化を優先する
- 生活費が厳しい時期は、
「貯蓄+投資+予備」の合計を 15〜20% まで下げてもよい前提で考えてください
例えば、手取りが25万円なら、ざっくりとこんなイメージです。
- 通帳①:消費 … 17万5,000円(70%)
- 通帳②:貯蓄 … 2万5,000円(10%)
- 通帳③:投資 … 2万5,000円(10%)
- 通帳④:予備 … 2万5,000円(10%)
もちろん、これはあくまで「標準形」です。
- 子育て期で支出が多い人 → 「消費 75〜80%、貯蓄+投資+予備 20〜25%」から始める
- 実家暮らし・高収入・支出が少ない人→ 「消費 50〜60%、投資 15〜20%」まで増やす
といった調整は自然です。
重要なのは、最初から完璧な比率を探すことではありません。
むしろ「固定の比率を一度決めたら、半年は変えない」ことなんです。
ここから先は、4つの通帳それぞれの役割を、上記の比率と絡めながら見ていきましょう。
3. 通帳①:給与振込・消費の通帳
(お金が入って出ていく“メイン口座”)
3.1 役割
通帳①は、すべての起点になる「メイン口座」です。
給料が入り、家賃・光熱費・通信費・保険料・日々の生活費などがここから出ていきます。
- 通帳①に残すのは「今月の生活費」に必要な金額だけ
- 残りは、給料日に自動で通帳②〜④へ振り分ける
この形にしておくと、「使っていいお金」がはっきりします。
3.2 おすすめ比率と運用
- 目安:手取りの 70% 前後をこの口座に残す
給料日に、あらかじめ設定した定額振替で
- 貯蓄用(10%)
- 投資用(10%)
- 予備費用(10%)
を自動で移してしまい、残りがそのまま「今月使ってよい上限」になります。
3.3 効果
- 「あといくら使っていいのか?」を毎回計算しなくてよくなる
- 通帳残高を見るだけで、生活費のペース配分がわかる
- 無意識の支出や、なんとなくの浪費にブレーキがかかる
家計簿アプリが続かない人でも、
「口座残高=今月の残り枠」 という分かりやすい管理に変わります。
4. 通帳②:貯蓄の通帳
(将来のイベントのための“専用ストック”)
4.1 役割
通帳②は、将来の具体的な目的のための貯蓄を置く場所です。
例としては、次のようなものがあります。
- 数年以内に予定している旅行
- 子どもの教育費の一部
- 車の買い替え
- 数年後の引っ越し資金 など
「いつか使うかもしれないお金」ではなく、
ある程度、目的が見えているものをここに集めておくイメージです。
4.2 おすすめ比率と運用
- 目安:手取りの 10% を自動振替
給料日に、自動振替で定額を通帳②へ移します。
ここ大事。これは、いわゆる Pay Yourself First(自分に先に支払う) の実装です。
- 余ったお金を貯金するのではなく、
「貯金分(手がつけづらい場所に)を先に取り分け、残りで生活する」順番に切り替える - これにより、「今月は貯金ゼロだった」という月を減らす
4.3 効果
- 目的別にお金が貯まるため、「このお金は何のためか」が明確になる
- 旅行や大きめの支出のときに、生活費を壊さずに済む
- 「将来のための準備が進んでいる」という感覚が得やすい
ここに入れたお金は、基本的に中長期で使う前提の“安全資金”として扱い、
投資でリスクを取りたくないものをまとめます。
5. 通帳③:投資の通帳
(長期でお金に働いてもらう“成長レイヤー”)
5.1 役割
通帳③は、長期の資産形成のための投資用資金だけを集める口座です。
ここから、つみたてNISA・投資信託・株式・ETFなどを購入していきます。
生活費と同じ口座で管理すると、
- 含み損を見るだけで不安になる
- 生活費が足りないときに投資を崩したくなる
といったストレスが大きくなります。
そのため、「投資用の専用口座」として分けておいて、なるべく日々の判断から離しておくことが大事です。

5.2 おすすめ比率と運用
- 目安:手取りの 10% からスタート
最初から20〜30%を投資に回すと、
- 収入が不安定な人
- 子育て期で支出が多い人
には負担が大きくなりやすいです。
まずは 10%で半年〜1年継続し、生活への影響を確認するほうが、実務的には安全かなと思います。
これに慣れてきたら、
- 昇給・ボーナス分は「増えた分の半分を投資割合アップ」に回す
- 生活費に余裕が出てきたら、投資を 15〜20% まで段階的に引き上げる
といった形で、「伸びた分だけ投資割合を上げていく」運用が現実的でしょう。
5.3 効果
- 生活費と切り離すことで、市場の値動きに振り回されにくくなる
- 「減ったら困るお金」は投資に回さない、という線引きが明確になる
- 長期的な資産形成を、自分のペースで続けやすくなる

6. 通帳④:予備費の通帳
(不測の事態に備える“安全クッション”)**
6.1 役割
通帳④は、予測しづらい支出を受け止めるための口座です。
例としては、次のようなものがあります。
- 突然の病気や怪我の医療費
- 冠婚葬祭
- 家電の故障
- 失業・収入減少時の一時的な補填 など
ここに一定額があるかどうかで、
「何かあってもとりあえず数カ月は持ちこたえられる」という安心感がまったく変わります。
6.2 おすすめ比率と運用
- 目安:手取りの 10% を定額積み上げ
- 最低でも「生活費の 3〜6カ月分」を目標残高にする
まずは、毎月10%ずつ貯めていき、
- 生活費の3カ月分に達したら、積立割合を少し下げて投資側に回す
- 逆に不安が強い人は、6カ月分までは優先的にここを厚くする
というように、“心理的な安心ライン”を一つのゴールとして設計するのがおすすめです。
6.3 効果
- 突発的な出費があっても、貯蓄や投資を崩さずに済む
- 「何かあったらどうしよう」という不安が軽くなり、投資にも向き合いやすくなる
- 家計全体の安定性を支える「土台」として機能する
7. でも、この方法にも弱点はある
4つの通帳メソッドはシンプルで強力ですが、弱点や限界もあります。
ここを理解しておくと、「自分なりの調整」がしやすくなります。
- 収入が一定以上ないと、比率どおりに回しづらい
- 手取りが少ない時期は、どうしても生活費が優先になり、
「貯蓄10%も投資10%も無理」という状況も現実にはあります。
→ その場合は「合計5〜10%から始めて、段階的に引き上げる」ほうが健全。
- 手取りが少ない時期は、どうしても生活費が優先になり、
- 比率だけを守っても、支出の中身が変わらないと効果は限定的
- サブスクやなんとなくの固定費を見直さないまま、比率だけ変えても、
生活の窮屈さばかり増える可能性があります。
→ 4つの通帳と並行して、「固定費の棚卸し」はやる価値は絶対にあります。
- サブスクやなんとなくの固定費を見直さないまま、比率だけ変えても、
- 投資リスクを理解しないまま通帳③だけ増やすのは危険
- 「投資用の通帳があるから」という理由だけで金融商品を単に増やしてしまうと、
リスクの中身を理解しないまま市場にさらされます。
→ 通帳③を増やす過程で、自分が理解できる範囲の投資商品に絞っておきましょう。
- 「投資用の通帳があるから」という理由だけで金融商品を単に増やしてしまうと、
- 家族構成・年齢・国の制度で“正解の比率”は変わる
- 子育て中か、独身か、50代か20代か、年金・社会保障がどうなるか。
これらによって、最適なバランスは変化します。
→ 4つの通帳は、あくまで「フレーム」です、比率は定期的に見直しましょう。
- 子育て中か、独身か、50代か20代か、年金・社会保障がどうなるか。
こうした前提を踏まえれば、
4つの通帳のアイデアは「万能の正解」ではなく、“自分の家計を自動化するためのひな型”として使うくらいちょうどよいですね。
8. まとめ:今日から始めよう、お金の「仕組み化」
4つの通帳メソッドの核心は、節約根性ではありません。
無理せずに「お金が正しい場所へ自動で流れる仕組み」をつくることです。
やることは本質的には次の2つだけです。
- 通帳(口座)を役割ごとに4つに分ける
- 給料日に、決めた比率で自動振替を設定する
- スタートラインの目安:70:10:10:10
あとは、半年ほど 「比率はいじらずに様子を見る」 ことをおすすめします。
そのうえで、
- 生活がきつい → 将来側(貯蓄+投資+予備)の合計割合を一時的に下げる
- 余裕が出てきた → 投資や貯蓄の割合を2〜5ポイントずつ上げる
といった形で、自分の生活リズムに合うバランスを探していけば十分です。
最後に、今日できるアクションを5つだけ挙げておきます。
- 給与振込口座を「通帳①」として固定する
- ネット銀行などで、「貯蓄用」「投資用」「予備費用」の3口座を開設する
- 給料日翌日に、「自動振替」を設定しておく
- 手取りに対する「70:10:10:10」の金額を一度だけ計算してメモする
- 各口座に振り分けた金額は、一つのシートにメモ(毎月一回くらいは確認)
ここまでできれば、あとは仕組みが毎月勝手に動いてくれます。
完璧な比率を探すよりも、まずは小さく始めて、生活に合わせてチューニングしていくほうが、長期的には大きな差につながりやすいと思います。


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