プロローグ |「ちゃんと考えているのに不安になる」あなたへ

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※この章は、「ちゃんと考えて選んでいるはずなのに、なぜか不安が消えない」と感じている人に向けた導入です。


あなたが最後に「迷った」のは、どんな瞬間だったでしょうか。
即断できなかったということは、選択肢があり、どちらを選ぶかで結果が変わると分かっていた、ということでもあります。

その迷いの正体は、優柔不断ではありません。
自由があり、なおかつ「自分で決めなければならない状況」に立っていた証拠です。
多くの場合、私たちはその場で「賭けるか、やめるか」を選んでいます。


なぜ「賭けの思考」を伝えたいのか

「なんで、そんなリスクの高いことをするの?」
「失敗したらどうするつもりだったの?」
「よく、その判断ができるね」

これは、私が何かを決めるたびに、よく投げかけられてきた言葉です。
留学、挑戦、転職、投資、移住。
振り返ると、周囲からは「危ない選択をする人」に見えていたのだと思います。

ただ、私自身の感覚は少し違っていました。
どの判断も、「勢い」ではなく、「期待値があるかどうか」を基準にしていたからです。
リスクを無視していたわけではありません。
むしろ、そのリスクを分解した上で、それでも進むかを考えていたつもりです。

一般に、「賭け」という言葉には否定的な響きがあります。
ギャンブル、無謀、運任せ。
けれど、確率、資金管理、心理、意思決定について学ぶほど、その印象は変わっていきました。

賭けとは、本来かなり理性的な行為です。
条件を整理し、損失を限定し、長期で見て有利かどうかを判断する。
感情ではなく、構造で決める行動です。

そして気づいたのは、生きること自体が、その積み重ねだということでした。
選ばないという選択にもコストがあり、動かないことにもリスクがあります。
守っているつもりで、少しずつ失っているものもあります。

私たちは意識していないだけで、毎日なにかを選んでいます。
仕事、人間関係、お金、住む場所、時間の使い方。
どれも、「選ばない」という逃げ道はありません。

本書は、こうした現実を前提に、「賭けの思考」を人生に使える形に整理する試みです。
賭けることを勧めたいわけではありません。

ただ、自分で選び、その結果を引き受けるための考え方を、言葉にして残しています。

ここに書くのは、特別な成功法則ではありません。
敢えて言えば、「迷い」や「不安」を感情論で片づけず、判断の問題として扱うための技術だと思います。

次の章では、

・不確実性をどう前提に置くか
・リスクをどう分解して見るか
・感情と判断をどう切り離すか

といった点を、「なぜ不安が残るのか」という問いに沿って、
「賭けの思考」という枠組みで順に整理していきます。

「ちゃんと考えているはずなのに、不安が消えない」。

その違和感は、考え方が足りないからではありません。
ただ、判断の前提が、まだ言語化されていないだけだと思います。

まずは、その前提から見直していってみましょう。


▪︎▶︎ 第1章|導入 ― なぜ「賭けの思考」が人生に役立つのか


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