WEALTH LADDER(富の階段)を、現実的に使うという話 ― 戦略は正しくても、段階がズレるとしんどくなる

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こんにちは!ジャイアン(@GIANSTEP1)です。

今日は、ニック・マジューリの『WEALTH LADDER(富の階段)』をベースにしつつ、
「じゃあ、これを現実の人生でどう使うのか」という話を書きます。

というのも、この本、理屈はとても正しいんですが、
そのまま読むと、ちょっと“意識高めの戦略論”に見えてしまうところがあるんですよね。

でも実際は、もっと地味で、もっと優しい本の部類だと思います。

この本が本当に言いたいのは、
「正しい努力でも、段階を間違えると苦しくなる」
という一点です。


まずは30秒で現在地を確認しましょう

読み進める前に、少しだけ立ち止まってください。

  • 純資産(資産−負債)は、おおよそどのくらいか
  • 投資リターンが、年間の貯蓄額を超え始めているか
  • 収入源は、労働一本か、仕組みが混ざり始めているか

この3つで、だいたいの段階は見えてきます。

年収ではなく、純資産ベースで考えるのがポイントです。
ここを間違えると、以降の戦略が全部ズレちゃいます。


要点だけ先にまとめます

  • 富は一直線には増えない
  • 段階ごとに「やるとラクなこと」「やると事故ること」が違う
  • 低い段階での過剰投資は、ほぼ自滅
  • 上に行くほど重要なのは「増やす」より「落ちない」
  • レベル4以降は、金融投資だけでは景色が変わりにくい

ここまでで、「あ、ちょっと思い当たるかも」と感じたら、この先はたぶん役に立ちます。



富の階段とは何か(ざっくり)

富の階段(Wealth Ladder)は、人を純資産額で6段階に分け、
それぞれの段階で合理的な戦略は違う、と整理したフレームワークです。

年収ではなく、ストックを見る。
ここが大事です。

なぜなら、
ストックが違うと、失敗の意味が変わるからです。


6つの段階(簡略)

レベル 純資産の目安 主なテーマ
1 ~1万ドル 生き残る
2 1万~10万ドル 自分を強くする
3 10万~100万ドル 投資を回す
4 100万~1,000万ドル 非連続を考える
5 1,000万~1億ドル 失わない
6 1億ドル以上 お金以外

以下、少しだけ温度を下げて見ていきます。


レベル1・2|ここで投資に悩む必要はない

このあたりの段階で一番多いのが、

「投資を始めた方がいいですか?」

という悩みです。

正直に言うと、
投資の巧拙は、まだ人生にほとんど影響しません。

ここで重要なのは、

  • 借金を増やさない
  • 生活が崩れない
  • 収入を伸ばす余地を作る

この3点です。

投資は「やらない」ではなく、
「自動化して忘れる」くらいがちょうどいい段階です。


レベル3|ここから投資が効き始める

この段階に入ると、少し景色が変わります。

  • 投資リターンが無視できなくなる
  • 判断ミスが、ちゃんと痛くなる

だからこそ、
感情を排除する仕組みが重要になります。

・配分を決める
・売買ルールを先に作る
・一発逆転を狙わない

この地味さを受け入れられるかどうかで、
次に進めるかが決まります。


レベル4|一番、迷いやすい場所

ここが、この本のいちばんリアルなところです。

賃金もある。
投資も回っている。
生活も安定している。

でも、

「このままでいいのか?」

という感覚が、じわじわ出てきます。

私自身の話をすると

私も今、だいたいこのレンジにいます。
資産はそこそこ積み上がった。
投資も分散している。
生活は困っていない。

それでも、

  • これ以上、金融投資だけで景色は変わるのか
  • リスクを取る意味は、今もあるのか

こういう問いが、何度も出てきました。

ここで大事なのは

「上を目指さない判断」も、ちゃんと合理的だ
ということです。

起業や事業参画は、確かに非連続を作りますが、
でも同時に、責任と不確実性も増えます。

だから、

  • 安定収入
  • 分散投資
  • 自由度の高い時間

この組み合わせで「十分」と判断することは、逃げではありません。


レベル5・6|増やすより、壊さない

この段階に来ると、話題は完全に変わります。

  • 投資成績
  • 利回り
  • 市場予測

よりも、

  • 人間関係
  • 健康
  • 意欲
  • 家族

こうした非金融リスクの方が、圧倒的に大きくなります。

だから戦略も、

  • 集中しない
  • 一人で抱えない
  • 比較しない

という方向に寄っていきます。


まとめ|富の階段は「競争表」じゃない

富の階段は、
「上に行ける人が偉い」という話ではありません。

自分はいま、どこで、何をすると楽か。
それを確認するための地図です。

そして多くの場合、
問いはこう変わっていきます。

「次に行くべきか?」ではなく 「ここで十分じゃないか?」

この問いを、落ち着いて考えられるようになった時点で、
もうだいぶ“勝っている側”だと思います。


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