「31時間」というコンセプトのバッグを、何年も使ってみて検証した結果

スポンサーリンク
スポンサーリンク
この記事は約5分で読めます。
記事内に広告が含まれています。

こんにちは。

そもそも、男物のバッグ選びは失敗しやすい
それはセンスの問題ではなく、市場の前提が噛み合っていないからだと感じています。

実用性を取ると無難になる。
見た目を取ると、日常で使いづらくなる。

そして気づくと、
「まあ、これでいいか」というバッグだけが残る。

この二択を、多くの男性は何度も繰り返してきました。
私自身も、その一人です。

今回は、「良さそうだった」ではなく、
何年も、実際に使い続けたあとに残った評価を軸に話します。


ブランド古着のカインドオル

1|31アワーバッグというシリーズの前提

3.1 フィリップリムの 「31アワーバッグ(31 Hour Bag)」 は、
もともと忙しい女性のライフスタイルを前提に設計されたバッグです。

コンセプトは明確で、

1日24時間では足りない
もっと活動し、もっと充実した時間を過ごしたい
そんな人に「31時間を生きたような感覚」を与える

というもの。

このシリーズは、2012年春夏シーズンに登場しました。
もう10年以上前の商品ですが、いまだに語られる理由があります。


2|コンセプトが「コピー」で終わらなかった理由

31アワーバッグが支持されたのは、
言葉ではなく、設計そのものにコンセプトが落ちていたからです。

特徴を整理すると、

  • 柔らかいナッパレザー
  • サイドまで大胆に走るロングジップ
  • 朝から夜まで使えるイージーシックな佇まい
  • 折り畳んでクラッチとしても使える構造
  • トートにも、クラッチにもなる、多用途な使い方

さらに、

  • 31 Weekender
  • 31 Hour
  • 31 Minute
  • 31 Second

といったサイズ展開により、
生活の密度に合わせて選べるシリーズ構成になっています。

ここで重要なのは、
「女性向けだから良い」のではなく、「生活の密度が高い人向け」
という思想です。


3|なぜこのバッグを選んだのか(男目線)

私がこのバッグを選んだ理由は、
「レディースだから」でも「流行っていたから」でもありません。

言ってしまえば、割り切りが極端だったからです。

  • 横型トート
  • 持ち手は短め
  • 主張はジップ一本

男性向けトートにありがちな
「無難さ」や「過剰な機能」がありません。

このバッグは、
見た目を成立させる代わりに、使い勝手を一部捨てている

全部を満たそうとしなかったから、
嘘が混ざらなかった。
その潔さが、長く使っても判断を揺らがせなかった理由だと思います。


4|デザイン|なぜこのジップは嘘くさく見えないのか

31アワーバッグの象徴は、
サイドまで走る長いジップです。

これは装飾ではなく、機能部品そのもの

私は、服でも道具でも、

意味のないディテールが混ざった瞬間に、全体が信用できなくなる

という基準で見ています。

その点、このバッグは、

  • 要素が少ない
  • 役割が明確
  • デザインと機能が分離していない

だから何年使っても、「古く感じない」。

補足すると、男性が選ぶのであれば色はオールブラック一択だと思っています。
このバッグは、形とジップの存在感だけで成立しているため、
色が入った瞬間に「ファッション寄り」に振れすぎてしまう。

黒一色であれば、デザインが道具側に引き戻され、
年齢や服装を選ばず使い続けられます。


5|素材と経年|手入れしない前提で使った結果

素材はナッパレザー。
柔らかく、耐久性があり、適度なツヤがあります。

重要なのは、
私はこのバッグを、生活の道具として雑に扱っているという点です。

  • 特別なメンテナンスなし
  • 雨の日も普通に使う
  • 床にも普通に置く

それでも、

  • 大きな傷はほぼなし
  • 革は自然にクタッとしてきた
  • 四隅にスレが出た程度

これは、
日常で酷使される前提で設計されたバッグだった
という証拠でもあります。


6|機能性|正直に言うと、使いづらい

ここは、はっきり言います。

  • 持ち手は短く、肩掛けは厳しい
  • ジップの開閉はスムーズではない
  • レジ前での動作は遅れる

本来「忙しい女性のためのバッグ」であるにもかかわらず、
操作性は決して良いとは言えません。

バッグなのに出しづらい、なので、多くの人は最終的にジップを開けっぱなし
で使う
という荒っぽい運用に落ち着きます。
入口が下向き構造なので、物が落ちる心配はほぼないからです。

これはデザインの長所でもあり、機能性の面では最大の欠点でもありますが、
「このバッグはそういうものだ」と受け入れられるかどうかで、評価は完全に分かれると思います。


7|サイズ選び|あえてレディスを選ぶ理由

なお、男性に勧める前提は、
レディスサイズ × オールブラックの組み合わせです。

私が使っているのは、
レディスラインの 31 Hour

以前はメンズサイズもあったようですが、
実物を見る限り、メンズはやや大きすぎる印象でした。

結果的に、レディスの方が日本人体型にはサイズ感が合うと思います。
中古で探す場合も含め、サイズ確認は最重要ポイントです。


8|トレンド不在の市場で、価格をどう考えるか

メンズのバッグには、明確なトレンドがありません。
10年前の良いバッグが、今も普通に通用します。

だからこのバッグも、

  • 定価:約12万円
  • 中古:数万円台

と聞くと高く感じるかもしれません。

ただ、

  • 流行で消耗するバッグを買い替える
  • 安さ優先で満足度が下がる

これを繰り返すより、
一度買って、メンテナンスしながら長く使う方が、結果的に満足度は高い
長期で見れば、コスパは決して悪くありません。


9|小物に投資する、という考え方

これは、バッグに限った話ではありません。

これまで紹介してきた 眼鏡 もそうですが、
バッグ、腕時計、アクセサリー、靴。
こうした小物に先に投資しておくと、装い全体の印象が安定します。

服がユニクロやGUであっても、

  • バッグ
  • 眼鏡
  • 時計

このあたりがきちんとしていれば、
「安い服を着ている人」には見えません。

色についても同じで、
黒一色の小物は「おしゃれ」に寄りすぎず、判断や生活の邪魔をしない。

特にバッグは、色が主張すると服との関係性が一気に難しくなる。
だから私は、男性に勧めるなら黒一択だと思っています。

服は流行と体型に左右されますが、
小物は、その人の判断基準がほぼそのまま残るので。


10|このバッグが向いている人/向いていない人

向いていない人:

  • 軽さ最優先
  • 機能性重視
  • 片手操作を求める人

向いている人:

  • 見た目の完成度を長期で評価できる
  • 道具に割り切りを求められる
  • 手に何かを持つスタイル、でも安いバッグでは嫌な人

おわりに|「31時間」は、結果として成立していた

このバッグは、
買った瞬間に満足するタイプではありません。

  • 不満が積もらない
  • 気づいたら使い続けている
  • 他に替えが見つからない

何年も使ってみて、結果的に「31時間」というコンセプトは、
誇張ではなかったと感じています。
とはいえ、派手におすすめするバッグではありません。

ただ、もし今、

「ちゃんとしたバッグを一つ持ちたいけど、何を選べばいいか分からない」

そう感じているなら、
オールブラックという条件付きで、検討する価値はあると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました