海外生活を「壊さずに回す」目的での、英語というインフラの話 

スポンサーリンク
スポンサーリンク
この記事は約5分で読めます。
記事内に広告が含まれています。

こんにちは。
今日は、英語について書いてみます。

といっても、

「どうやったら話せるようになりますか?」
「おすすめの勉強法は何ですか?」

といった話ではありません。

正直に言えば、そのフェーズはもうとっくに通り過ぎてしまいました。
これは、英語をどう学ぶかではなく、英語をどう位置づけて生きているか、という話です。


1|英語は、いつの間にか「学習対象」ではなくなっていた

海外の大学を卒業してから、気づけば20年近く、海外で生活しています。
英語について振り返ると、「必死に身につけた」という感覚はあまりありません。

どちらかというと、

使って、困って、直して、また使って。

その繰り返しの中で、生活に沈んでいった、という感覚のほうが近い。

だから今さら、

  • 英語力を伸ばす方法
  • 効率的な学習ステップ

を語ろうという気は、あまり起きませんし、
その資格があるとも思っていません。

むしろ長く海外にいると、
英語を「成長」や「能力」の話として扱うこと自体が、少しズレて見えてくるようになります。


2|長期海外生活者にとっての英語とは何か

私にとって英語は、
スキルでも、自己投資でもありません。

生活を止めないためのインフラです。

たとえば、

  • 役所で手続きを進められる
  • 仕事で誤解を残さず終われる
  • トラブル時に黙り込まずに済む

この水準を下回ると、生活は一気に不便になります。
一方で、これを大きく上回ったからといって、人生が劇的に良くなるかというと、そうでもない。

この感覚は、短期滞在や学習段階では分かりにくいかもしれません。
ただ、長期で海外に住んでみると、かなりはっきりしてきます。


3|なぜ「英語学習」は続かなくなるのか

多くの英語学習は、最初から「上達」を前提に設計されています。

  • 毎日やる
  • 成果を測る
  • レベルアップを目指す

もちろん、考え方としては正しいですし、
それ自体を否定するつもりはありません。

ただ、海外生活では一つ問題があります。
生活そのものが、すでに高負荷なのです。

仕事、手続き、人間関係、細かい調整。
それだけで、判断もエネルギーもかなり消費されます。

そこに「さらに頑張る英語学習」を重ねると、
英語は投資ではなく、消耗ポイントになりがちです。

「やったほうがいいのは分かっているけど、続かない」
この状態に入る人が多いのは、割と自然な話だと思います。


4|英語は「生存設計」に組み込むと、少しだけ楽になる

長期海外生活における英語は、
次の一文で十分に説明できます。

英語とは、
海外生活で詰まらずに通過するための最低限の運用技術。

これは「上達の話」ではなく、
生活を止めないための設計の話です。

この前提に立つと、見える景色が変わります。

  • 毎日やらなくていい
  • 上達を目標にしない
  • 忘れても気にしない

重要なのは、
必要な場面で、最低限動くかどうかだけです。

成立条件を下げると、
結果的に、生活全体はずっと安定します。


4-2|英語を使う、もう一つの大事な場面

長く海外にいると、
英語を使う場面は、日常会話よりもむしろこちらの方が多くなります。

英語しか用意されていないサービスを使うときです。

たとえば、

  • 海外のオンラインサービス
  • サポートが英語前提のツール
  • 利用規約やヘルプが英語しかない仕組み

こうした場面では、「話せるかどうか」より、

  • 仕様を誤解しない
  • 条件を読み落とさない
  • 問題が起きたときに自力で抜けられる

この点のほうが、ずっと重要になります。

ここでも英語は、上達や表現力の話ではありません。
使いたいサービスを、諦めずに使うための道具です。

逆に言えば、この水準の英語がないと、

  • 便利そうなサービスを避ける
  • 問題が起きても放置する
  • 選択肢そのものが狭まる

といった形で、生活や仕事の自由度が、明らかに下がっていきます。

私が英語を使っている実感は、会話よりも、
こうした「英語前提の仕組みをそのまま使えるかどうか」の場面に、
より強くあります。


5|今も続けている、英語との距離感

5-1. 学習アプリは「勉強」ではなく接続確認

短時間で終わるアプリを使っていますが、
目的は英語力アップではありません。

言語感覚が完全に切れていないかの確認です。
おっさんの記憶回復装置、くらいの扱い。

やらない日が続いても問題なし。
断線しなければOK、という距離感です。


5-2. ドラマ・フレーズ集は「生活用マニュアル」

フレーズ本を暗記したことはありません。
必要になったら開いて、その場をしのぐために使います。

説明、断り、クレーム対応。
これは語学教材というより、生活マニュアルに近い。

それとは別に、この20年の感覚でいうと、
耳を慣らすための素材としては、
ドラマや映画、Audible などに触れている時間のほうが、
絶対的に長い気がします。

そもそも耳が慣れていないと、生活の中では厳しい場面が多い。

イギリス英語、米英語、スパニッシュ系の英語。
実際の生活では、いろいろな特徴の発音を聞いて対応することは避けられません。

そこが聞き取れないと、相手が何を言っているのか分からない。
そうなると、次に使う以前の問題になってしまいます。

だから私にとっては、
「話す練習」よりも、
聞き取れて生活が回る状態を保つことのほうが重要でした。


5-3. 話す練習は「性能チェック」

話す機会も、上達目的ではありません。

  • 発声ができているか
  • 通じるか
  • 詰まったら言い換えられるか

この確認ができれば十分です。

評価も成長も不要。
生活が止まらないことだけを見ています。


6|なぜこのブログで、英語の話をするのか

このブログでは、

  • 意思決定
  • 投資
  • 習慣
  • 歩くこと
  • トレイル

を扱っています。

英語の位置づけも、それらと全く同じです。

  • 期待値より、生存スキルを優先
  • 成果より、継続
  • 無理を前提にしない設計

英語は人生を加速させる武器ではなく、
やりたいことが途中で止まらないための装置くらいに考えています。


さいごに|英語は、もう生活の一部だった

20年も海外にいれば、
英語は特別なテーマではなくなります。

意識しなくても回っている状態。
それくらいで、ちょうどいい。

だから今の私は、英語で人生を変えようとは思っていません。
ただ、海外生活を続ける中で、

「これは詰まらなかったな」
「これは助けられたな」

そう思ったものがあれば、
役に立ちそうな範囲で紹介することはあるかもしれません。

いわゆる「ガチの英語学習者」の方の期待には応えられないと思いますが、
その点は、あらかじめご理解いただければと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました