こんにちは、JOL(@GIANSTEP1)です。
トムフォードの代表作といえば TF5178-F。
象徴性・存在感・完成度の三拍子がそろったアイコニックなモデルで、「まずこれを買えば間違いない」と言われるフレームだと思います。
しかし、私が実際に購入したのは TF5398-F。
しかも黒ではなくブラウン。
これだけ、黒眼鏡押しなのに、自分でも「なぜこうなった?」と思う次第ですが、
この記事で、その理由をコンパクトに整理してみました。
1. TF5178-Fは“完成されすぎ”
プロダクトの強度と象徴性が今の自分とズレすぎる
TF5178-Fは、良くも悪くも完成されすぎています。
黒サーモント系の強度が高く、かけた瞬間に誰もが「TOM FORDの顔」になる。
これはアイコニックな魅力である一方、着用者の役割を固定しやすいということでもあります。
つまり、5178-Fは代表作としての完成度が、“決める日”の眼鏡としての強度が強すぎて。
逆につける人間の日常利用の自由度を損なってしまう、
これが、私が5178-Fに違和感を覚えた最初の理由です。
2. ブラウンを選んだのは“生活導線との摩擦”が少ない
黒ではなくブラウンを選んだ理由は明確です。
今年の私の生活導線に、黒の強度が必要な場面が減っていたからです。
ブラウンは
・威圧感が出ない
・肌色になじむ
・スーツ、私服どちらでも破綻しない
・仕事とプライベートの境界をつくらない
という特性があります。
要するに、色の話ではなく用途の話で
黒は“演出の色”。
ブラウンは“日常の色”。
いまの私には日常的な後者が圧倒的に必要だったわけです。
3. TF5398-Fという“中庸の造形”が、現在の審美基準と一致した
5398-Fは、5178-Fと比べて、ままニュートラルです。
・線が細い
・厚みが控えめ
・主張が均整している
・“TOM FORD感”は残しつつも押し付けがない
ここ数年、私が愛用しているブランドを振り返ると
・OG(構造の必然性)
・Lunor(クラシック × コンテンポラリー)
・DITA(精密性の美学)
・LINDBERG(ミニマリズムの完成)
つまり、「強さより整合性に惹かれる傾向」が明確なんですが
5398-Fはその文脈に合います。
5178-Fは“記号”。
5398-Fは“構造”。
私が今年重視しているのは後者であり、5398-Fはそのモードと一致したんですね。
4. 最後に決め手になったのは、“未来の使用頻度”のシミュレーション
眼鏡選びの最終判断は、デザインではなく未来の使用頻度です。
5178-F:使う日が限定される未来が見えた
5398-F:普段使いとして使う未来が明確に見えた
選択の軸を“期待値”で考えるなら、後者が合理的です。
詰まるところ、これは感情ではなく構造の話で、
「代表作を選ばなかった」というより
「使用価値の高いほうを選んだ」
という理解が最も正確みたいです。
結論:私は“いまの自分のモードに最適な眼鏡”を選んだだけだった
TF5398-F(ブラウン)を選んだ理由は、以下の三つに集約されます。
- 5178-Fの強度と象徴性が、現在の役割とズレた。
- ブラウンのほうが生活導線への摩擦が少なかった。
- 5398-Fの中庸と均整が、いまの審美基準に一致した。
この三つがそろった結果として、5398-Fは“最適解”になりました。
代表作を避けたのではなく、
「いまの自分の生活と仕事の文脈で、もっとも合理的なフレーム」を選んだ。
それだけの話になってしまいました。
ここまで書いてから、黒のTF5178-Fを、実は付けてみたいことに
気がついた、今日この頃です。



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