こんにちは!今日は「科学的な勉強法って、本当に“仕事で効くの?”」という話を書きたいと思います
勉強本を読むと、どれもそれっぽいことが書いてあって「うんうん」と思うのですが、閉じた瞬間に日常の意思決定に戻ってしまう…みたいなこと、ありますよね。
僕も昔はそうで、勉強したつもりなのに判断の質が上がらないという不思議な時期が長かったです。
でも学習科学をちゃんと追ってみると、投資でもマネジメントでも語学でも、“判断が速くなる”仕組みが共通していたんですよね。
今日はそれを、できるだけやさしく、少しゆるい感じでまとめてみます。
1. 再読は「復習」じゃなくて“品定めの装置”
(本当に触る価値があるかを決めるだけでOKです)
再読って「何回読んでも覚えられない…」みたいな罪悪感がつきまとうんですが、そもそも理解のための手段じゃないんですよね。
たとえば、スーパーで野菜を手に取って「今日これ使う?」と考える感じ。
深く味わう必要はなくて、“使う対象かどうか”を決めるだけです。
投資なら、四季報をパラパラめくって「この会社は掘る価値ある?」と判断するあの時間。
あれが再読にかなり近い感覚です。
つまり
・残す
・捨てる
・優先順位をつける
この三つだけやればOKです。
深く理解するのは、ここから先の工程で起きます。
というわけで、次は“理解を作る心臓部”に進みます。
2. アクティブリコールは「記憶術」ではなく“即断力の筋トレ”
(思い出す過程で、頭が勝手に整理されます)
想起が強力なのは、脳が「もう一度組み立て直す」作業を強制されるからです。
この再構築のプロセスが、判断力の源泉になります。
投資なら
・財務三表をざっくり口で再現する
・企業分析の仮説を紙に何も見ず書く
・MQ会計の式をその場で組み立てる
こういう“説明できる状態”が作れると、一気に読み方が変わります。
語学も同じで
・瞬間作文
・言い換え
・文脈を頼りに意味を再生
これが全部想起なんですよね。
つまり、アクティブリコールは
「思い出すための行為」ではなく「判断の練習そのもの」です。
というわけで、判断力を底上げする次のステップに行きます。
3. 連続的再学習は“学習の高速道路”
(再現→想起→修正の小さいループをぐるぐる回す)
理解のスピードを一気に上げるのが、この“連続ループ”です。
声に出す、書く、説明する、直す。
このサイクルを小さく頻繁に回すほど、理解が深まります。
投資では
・仮説を口で説明
・裏付けの数字を再現
・抜けをフィードバックで埋める
という流れになり、
マネジメントでは
・朝のMtgの意図を言語化
・判断基準を再整理
・「ここ曖昧だな」をその場で修正
というプロセスに変換できます。
語学も同じで
・瞬間作文
・自分の英語に対してフィードバック
・それをすぐに使い直す
という循環になります。
理解が“手触り”として残るのは、このループだけと言っても良いです。
というわけで、次は構造化の話です。
4. 自己説明は“思考OSのアップデート時間”
(「わかったつもり」を駆逐する最短の方法です)
自己説明は地味に見えますが、学習効果はとても高いです。
理由はシンプルで、説明すると「理解してない部分」が露骨に見えるからです。
あなたの普段の思考スタイル
・構造
・仮説
・証拠
で進むので、自己説明はむしろ一番相性が良い方法だと思っています。
たとえば
・PRが進まない原因
・OPSが抱えている制約
・投資案件の本質的なレバー
これを説明できるようにすると、判断のスピードが跳ね上がります。
つまり、自己説明は
「知識を整える」というより「OSを更新する感じ」なんですよね。
というわけで、最後は“違いを見る力”です。
5. インターリービングは“区別力”を鍛える学習法
(似ているものを混ぜると、頭の精度が一気に上がります)
似たテーマを交互に扱うことで、境界の判断が強くなります。
いわば「違いを嗅ぎ分ける嗅覚」が育つような感覚です。
投資では
・同業他社比較
・PL構造の違い
・制約条件が変わった時の利益の動き
これらが全部インターリービング的な理解です。
マネジメントでも
・OPS/AC/PR/MEDの違い
・標準対応と属人対応の差
・優先順位の切り分け
など、比較による学習が中心になります。
語学なら
・似た文法の使い分け
・同義語のニュアンス
ここを理解するだけで会話の精度が上がります。
判断が強い人は、例外なくこの“識別力”が強いです。
というわけで、最後は実装です。
6. あなたの学習OSに合わせた“毎日の最小セット”
(これだけやれば十分回ります)
10分:再読で今日の対象をスクリーニング
深く理解しない。方向性だけ決める。
15分:アクティブリコール
紙に書く、声に出す、口頭説明する。今日の核です。
10分:連続ループ
フィードバック→修正→再出力の高速サイクル。
5分:自己説明
理解の穴を確認。思考OSにパッチを当てる作業です。
週1回:インターリービングデー
投資・語学・マネジメントを横断して扱う日を作る。
このセットなら、意思決定のスピードも精度も、勝手に上向きます。
まとめ:「どんな手法を使うか」ではなく、“負荷の設計”で頭は変わります
科学的学習法は、便利なテクニック集ではありません。
あなたが扱う
・投資
・マネジメント
・語学
この三つは全部「再生成の負荷をどう設計するか」で能力が決まります。
アクティブリコール、自己説明、インターリービングは、まさにそのためのツールです。
あなたのOSとの相性はかなり高く、そのまま意思決定力に直結します。



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