部下の成長は「段階」と「裁量」でつくる 新人マネージャーのための育成ガイド

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こんにちは!ジャイアン(@GIANSTEP1)です。

今日は、新人マネージャーが必ずぶつかるテーマについて書きたいと思います。
それは、「どうやって部下を育てればいいのか?」という、避けて通れない悩みです。

上司になった途端、急に“教える側”に立たされるのですが、
多くの人がそこで思うのは、

「あれ、自分はできるけど、どう説明すれば伝わるんだ?」
「指示を出しているのに、なぜか動いてくれない…」

というモヤモヤです。
これは能力の問題ではなく、育成の“構造”が言語化されていないだけなんですよね。

というわけで今日は、育成を
段階(2W)裁量(2R)
という2軸で整理し、「これなら実務で使える」という形にしてみます。


1. 育成が難しく感じるのは、「差の埋め方」が曖昧だから

差があるのに、埋め方の地図がない

新人マネージャーが最初に躓くポイントは、
部下の現在地と自分が求める期待値の差を、どう扱うかという問題です。

ここを構造化しないまま、「これお願いね」と結果だけ伝えると、
上司は「なんでできない?」と焦り、
部下は「どう動けば正解なの?」と固まり、
静かにチームが摩耗していきます。

現場でよくあるのは、

・結果だけ渡されて、やり方の骨格が説明されていない
・“うまくできなかった理由”を部下が言語化できず、上司も把握できない

つまり、双方が“見えない霧”の中で右往左往しがちです。

この霧を晴らす鍵になるのが、
育成を「段階設計」として扱うという考え方です。


2. 段階をつくるフェーズ(2W)

自律が生まれるのは“目的+境界線”があるから

不確実性を減らすと、部下は動き出しやすくなる

段階をつくる目的はシンプルで、
部下が迷わず行動できる状態をつくることです。

ここで使うのが「2W」。

  1. What(何を)
  2. Way(どうやって)

多くのマネージャーは、このうち What だけを提示します。
でも、部下に必要なのは Way のほうです。

例:
「1週間で50万円売ってね」
と言われても、心の中では
「え、どう動けばそこに行けるの…?」
と不安が増えます。

ここで
「離反理由を聞き、その理由に合う商品を紹介する」という
行動の筋道(Way)が示されると、急に前へ進めます。

段階設計とは、
行動を“再現できるレベル”にまで分解する作業です。

よくある誤解は、
「分解すると相手が考えなくなる」というものですが、
実際は逆で、最初のステップが見えると“次は自分でも応用できるぞ”という余力が生まれます

ここが段階の力です。


3. 裁量を与えるフェーズ(2R)

部下の“今”を診断できるかが勝負

人は“理由と範囲”がわかると自律的に動ける

段階を上れるようになった部下は、
次に「自分の判断で動いてみたい」という欲求が生まれます。

ここで必要になるのが 2R です。

  1. Reason(理由)
  2. Range(自由に判断していい範囲)

Reasonを伝えると、部下は
「言われた通り」から
「目的に沿って判断する」
へ進みます。

Rangeを示すと、
「どこまで自分でやって良いのか」
がわかるため、行動が止まりません。

自由と言われると戸惑うのに、
“自由の範囲”が示されると安心して動ける。
人間って不思議ですが、こういうものなんですよね。

裁量とは、
目的+境界線が明確な自由
と定義できます。


4. 段階と裁量の切り替え

マネージャーの仕事は、実はここが本丸

どちらのフェーズも理解していても、
部下が今どちらの状態にいるのか
を見誤ると機能しません。

判断基準はとてもシンプルで、

行動方法が分かっていない → 段階(2W)
行動方法を再現できる → 裁量(2R)

この診断を間違えると、
必要な人に自由を渡して戸惑わせたり、
自律性がある人に細かい指示を出して萎縮させたりします。

上司の仕事は、
「指導者」と「設計者」を切り替えること
なんですよね。


5. このフレームにも“崩れる条件”がある

だからこそ補正が必要

段階と裁量のモデルは扱いやすいですが、
万能ではありません。

例えば:

・上司がWayを言語化できない
・組織がエラーを一切許容しない
・部下がそもそも自律に興味がない
・能力が高く、段階化が逆に邪魔になる

こうしたケースでは、そのまま適用すると逆効果になります。

とはいえ、この場合の対処は難しいものではなくて、
上司側は「まず自分の作業を録画してみる」だけでWayが見えてきたり、
組織は「例外として許容できる失敗」を先に定義しておくだけでRangeが機能したりします。

つまり、
モデルを運用するには、組織側の調整も不可欠ということです。


まとめ:育成は“気合い”ではなく技術

マネージャーは設計者として振る舞う

育成は、気持ちや根性ではなく、
段階(2W)と裁量(2R)を組み合わせる“技術”です。

・段階は再現性をつくり
・裁量は自律性をつくる

この2つが循環すると、
部下の動きは安定し、チームの成果もブレなくなります。

そして何より、
マネージャーが「根性論」から解放されて楽になります。

あなたのチームにも、ぜひこのフレームを組み込んでみてください。
日々の1on1、タスク管理、目標設定など、どこにでも応用できます。

以上、今日は新人マネージャー向けの「育成OS」について書いてみました。

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