静かに待ち、ただ景色にいるVR体験

2025.12.16

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こんにちは。

今日は、VRをどう使うと「本当に休めるのか」という話を書きたいと思います。

多くの人は、休んでいるつもりでも、実際には判断を続けています。
動画を選ぶ、SNSを眺める、ニュースを流し読みする。
どれも軽い行為ですが、裏ではずっと「選択」と「評価」が止まりません。

VRリラクゼーションの価値は、
「もう考えなくていい」「選ばなくていい」状態を、強制的につくれることにあります。
娯楽というより、判断力や注意力を回復させるための装置に近いです。

その中でも Real VR Fishing は、
・静的没入
・自然環境への没入
この2つを一つの体験で同時に成立させている、かなり完成度の高いVRだと感じています。

Real VR Fishingが特別な理由

―― フィッシングと自然体験を分けていない

多くのVR体験は、役割がはっきり分かれています。
自然を見るVR。
何かをするVR。

でも、Real VR Fishingは、その中間にあります。
釣りをしているが、同時に、ただ景色の中にいる。

ここが重要です。

操作はシンプルで、刺激は控えめ。
成果は出ますが、とくに上達を急かされることもありません。
それでも成立するのは、「待つ時間」と「環境にいる時間」が、最初から設計に含まれているからだと思います。

―― 何も起きない時間が、ちゃんと許されている

Real VR Fishingは、とにかく地味です。
操作は単調で、テンポもゆっくり。
盛り上がる演出も、過剰なフィードバックもありません。

でも、その地味さこそが、このVRの強さです。

キャストして、待つ。
波の音、風の音、雨の音、遠くに遠ざかる電車の音、
それらを聞きながら、何も起きない時間を過ごす。

この「何も起きなさ」が、思考を前に進ませないんです。

退屈にはならない。
でも、興奮もしない。
この中間にある状態が、判断疲れの回復にちょうどいいんです。

―― DLCで広がる「ただ、そこにいる」感覚

Real VR Fishingは、フィッシングゲームでありながら、
実質的には自然環境没入VRでもあります。

特にDLCの存在が大きい。

世界各地の湖、海、森、崖沿いの釣り場。
場所ごとに、光の入り方、音の反響、空気感が違います。
釣りをしなくても、ただ立って景色を眺めているだけで成立しています。

これは「風景を見る」というよりは、
風景の中に身を置く感覚に近いのだと思います。

都市生活や在宅作業が続くと、
この「環境ごと切り替わる感じ」は想像以上に効きます。
10分でも、思考の張り付きが剥がれてくるのが分かります。

これで、匂い、風、温度感が感じられたら、
本当にリアルだと思い込むことすら可能になりそうです。

―― 静的没入と環境没入を両立できる理由

Real VR Fishingがここまで休息に向いている理由は、
選択肢が極端に少ないことです。

・スコアを追わなくていい
・成長効率を考えなくていい
・次に何をすべきかを考えなくていい

やることは、基本的に一つです。
そこにいて、いる（待つ）だけ。

この構造が、
静的没入（何もしない）
環境没入（そこにいる）
を、無理なく同時に成立させています。

瞑想が合わない人は多いです。
理由は単純で、頑張ってしまうからです。

Real VR Fishingには、その問題がありません。
意識を整えようとしなくていい。
何もを達成しなくていい。

釣りという軽い行為があることで、
「何もしないこと」への抵抗が下がります。
結果として、自然に注意が下がっていきます。

Real VR Fishingは、
フィッシングVRであり、
自然体験VRであり、
そして、回復のための環境です。

何かを達成しなくていい。
意味を見つけなくていい。
ただ、そこにいて、静かに戻ってくるだけでいい。

その時間が、
次の判断や行動を、ちゃんと支えています。