英語はスキルではなく、海外生活のインフラだった

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導入|英語は、もう「学ぶ対象」ではなかった

こんにちは。
今日は、英語について書いてみます。

といっても、

「どうやったら話せるようになりますか?」
「おすすめの勉強法は何ですか?」

といった話ではありません。

正直に言えば、そのフェーズはもうとっくに通り過ぎてしまいました。
これは、英語をどう学ぶかではなく、英語をどう位置づけて生きているか、という話です。


1|英語は、いつの間にか「学習対象」ではなくなっていた

海外の大学を卒業してから、気づけば20年近く、海外で生活しています。
英語について振り返ると、「必死に身につけた」という感覚はあまりありません。

どちらかというと、

使って、困って、直して、また使って。

その繰り返しの中で、生活に沈んでいった、という感覚のほうが近い。

だから今さら、

  • 英語力を伸ばす方法
  • 効率的な学習ステップ

を語ろうという気は、あまり起きませんし、
その資格があるとも思っていません。

むしろ長く海外にいると、
英語を「成長」や「能力」の話として扱うこと自体が、少しズレて見えてくるようになります。


2|長期海外生活者にとっての英語とは何か

私にとって英語は、
スキルでも、自己投資でもありません。

生活を止めないためのインフラです。

たとえば、

  • 役所で手続きを進められる
  • 仕事で誤解を残さず終われる
  • トラブル時に黙り込まずに済む

この水準を下回ると、生活は一気に不便になります。
一方で、これを大きく上回ったからといって、人生が劇的に良くなるかというと、そうでもない。

この感覚は、短期滞在や学習段階では分かりにくいかもしれません。
ただ、長期で海外に住んでみると、かなりはっきりしてきます。


3|なぜ「英語学習」は続かなくなるのか

多くの英語学習は、最初から「上達」を前提に設計されています。

  • 毎日やる
  • 成果を測る
  • レベルアップを目指す

もちろん、考え方としては正しいですし、それ自体を否定するつもりはありません。
ただ、海外生活では一つ問題があります。

生活そのものが、すでに高負荷なのです。

仕事、手続き、人間関係、細かい調整。
それだけで、判断もエネルギーもかなり消費されます。

そこに「さらに頑張る英語学習」を重ねると、
英語は投資ではなく、消耗ポイントになりがちです。

「やったほうがいいのは分かっているけど、続かない」
この状態に入る人が多いのは、割と自然な話かなと思います。


4|英語は「生存設計」に組み込むと、少しだけ楽になる

長期海外生活における英語は、
いってしまえば、次の一文で十分に説明できます。

英語は、
海外生活で困らずに生活するための最低限の運用技術。

だとすると、これは「上達の話」ではなく、
生活を止めないための設計の話です。

この前提に立つと、学ぶ方向性の見える景色が変わるでしょう。
なんなら、

  • 毎日やらなくていい
  • 上達を目標にしない
  • 忘れても気にしない

なぜなら、重要なのは、必要な場面で、最低限動けるかどうかだけだからです。

成立条件を下げておけば、
結果的に、生活全体はずっと安定します。


4-1|AIがあっても、英語が不要になるわけではない

あと、最近よく聞くのが、
「AIがあるから、もう英語は要らなくなる」という話ですが、
確かに、翻訳や同時通訳の精度は、ここ数年で大きく上がりました。

実際のところ、実用面だけを見れば、「読めない」「聞けない」ことによる不便は、
かなり減っています。

ただ、長く海外で生活している立場から見ると、
それで英語が不要になるかというと、答えは少し違うかな。という感じです。

理由は単純で、生活や仕事で詰まりやすいのは、
翻訳できる情報の外側にある部分だったりするからです。

AIが得意なのは、

  • 文の意味を置き換えること
  • 明示された情報を処理すること

一方で、海外生活や仕事で効いてくるのは、

  • 言い切らない言い回し
  • 発音や間から伝わるニュアンス
  • 雑談の温度感

こうした部分は、今のところAIが完全に代替できる領域じゃありません。

時事ネタを絡めた軽い雑談や、
相手の言い回しから「ここは踏み込まないほうがいいな」と察する感覚。
このあたりは、実用的なコミュニケーションの中核ですが、
翻訳精度が上がっても、これは自動的に身につくものではありません。

ここで言っている「英語力」は、
難しい表現を使えることでも、語彙量の多さでもありません。

  • 行間を読み違えない
  • 空気を壊さない
  • 詰まりそうな場面を、英語の雑談でやり過ごせる

そういう生活運用上の英語力です。

AIが入ってきた今だからこそ、
英語を「暗号解読」や「試験対策」としてしか捉えていない人ほど、
実際のコミュニケーションでは、かえって苦労する場面が増えるような気します。

だから私はAIを、英語を置き換える存在ではなく、
英語というインフラを補助する道具として捉えています。

翻訳や確認には使いますが、生活の微妙な場面を丸ごと任せることはしない。
この距離感が、今のところ一番しっくりくるのではないでしょうか。


4-2|英語を使う、もう一つの大事な場面

あとは、長く海外にいると、
英語を使う場面は、日常会話よりもむしろこちらの方が多いかなと思うのですが、
いわゆる英語しか用意されていないサービスを使いたいときです。

たとえば、

  • 海外のオンラインサービス
  • サポートが英語前提のツール
  • 利用規約やヘルプが英語しかない仕組み

こうした場面では、「話せるかどうか」よりも、

  • 仕様を誤解しない
  • 条件を読み落とさない
  • 問題が起きたときに自力で抜けられる

この点のほうが、ずっと重要になります。

ここでも英語は、上達や表現力の話ではありません。
使いたいサービスを、諦めずに使えるようにするための道具です。

ここから先は、そうした英語をどう維持し、どう扱っているかという、私自身の運用の話です。


5|今も続けている、英語との距離感を保つための運用

5-1|学習アプリは「勉強」ではなく接続確認

短時間で終わるアプリを使っていますが、
目的は英語力アップではありません。

実用英語として、
雑談・説明・言い換えが必要な場面で、最低限やり取りが成立するか
その状態が保たれているかの確認です。

少し触ってみて、
「あ、この程度ならまだ運用できるな」と分かれば、それで十分。

やらない日が続いても問題ありません。
英語が多少鈍っても、生活や仕事はすぐには止まらない。

完全に断線せず、実用域に戻れる位置にいること。
それだけを基準にしています。

5-2|耳を慣らすことは、生活を回すための下支え

ドラマ、映画、Audible。
これらは教材というより、耳を生活仕様に保つための素材です。

実際の生活では、
米英語、イギリス英語、スパニッシュ系の英語など、
発音やリズムの違う英語が混在します。

聞き取れなければ、理解以前に反応ができません。
だから私にとっては、話す練習と同じくらい、

聞き取れて、その場をやり過ごせる状態を保つことが重要です。

5-3|話す練習は「上達」ではなく性能チェック

話す機会についても、考え方は同じです。
上達を目的にしているわけではありません。

  • 発声できているか
  • 相手に通じるか
  • 詰まったときに言い換えられるか

この最低限が確認できれば十分です。
評価も、成長も要りません。
見ているのは一貫して、今の英語で生活が止まらないかどうかだけです。


6|なぜこのブログで、英語の話をしたのか

このブログでは、

  • 意思決定
  • 投資
  • 習慣
  • 歩くこと
  • トレイル

を扱っています。

英語の位置づけも、それらと全く同じです。

  • 期待値より、生存スキル
  • 成果より、継続
  • 無理を前提にしない設計

英語は人生を加速させる武器ではなく、
やりたいことが途中で止まらないための装置だと考えています。


さいごに|英語は完璧にならないが、でも生活の一部に過ぎない

20年も海外にいると、英語は特別なテーマではなくなります。

意識しなくても回っている状態。
齟齬がなく回ってくれたら…、それくらいで、ちょうどいい。

だから今の私は、英語で人生を変えようとは思っていません。
ただ、海外生活の中で、

「これは助けられたな」
「これは役に立ったな」

そう、個人的に思ったものを、役に立ちそうな範囲で
紹介することはあるかもしれませんが、
いわゆる「ガチの英語学習者」の期待には応えられないと思います。
その点は、あらかじめご理解いただければと思います。

GIANt

勝つための思考法ではない。
外しても、人生が壊れない判断設計。

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